とても整然とした街並、あまり人気がなくガランとした地下鉄の駅、最上階の立ち見席でみた本場のオペラ、清潔で落ち着いた雰囲気のユースホステル、可愛らしいけど違和感があったフンデルトヴァッサーがデザインした集合住宅、合理性と優美さを兼ねそなえ知性を感じたオットー・ワグナーの郵便貯金局、、、、、
今となってはずいぶん昔のことだが、それらの事柄は断片的ながら不思議と鮮明に記憶している。
久しぶりに映画「恋人までの距離(ディスタンス) / BEFORE SUNRISE」
それでも、これが並の恋愛映画だったら何度も見返すことはなかったはずだ。
ウィーンの街はこの映画の舞台となっていて、路面電車、プラター遊園地の大観覧車、王宮、ベルヴェデーレ宮殿、シュテファン寺院、クライネスカフェ、ドナウの川辺、オペラ座、船上レストラン、市立公園と風景は移動していく。
しかしながら、この映画の中心はあくまでも主人公2人の会話にあり、ウィーンの美しい風景は物語の背景でしかない。
主人公の2人、セリーヌ(ジュリー・デルピー)とジェシー(イーサン・ホーク)は、ウィーンに向かう列車の中で出会う。
大声で喧嘩をしているドイツ人夫婦を避け、セリーヌはジェシーの隣の席に移動してくる。
「夫婦は年を取るにつれ、お互いの声が聞き取れなくなるの」
「、、、なぜ?」
「年と共に男は高い声を識別できなくなり、女はその反対なの」
「だから、夫婦は殺し合わずに年を重ねられるのか、、、」
このように始まった2人の会話は、とにかく魅力的だ。
今風にいえば「恋愛力
たとえばセリーヌのこんなセリフ、
「もしも、神が存在するとしたら、それは人の心の中ではなく人と人の間でだと思う」
今年になって、この映画の続編「ビフォア・サンセット
おそらくネットで検索すれば、あらすじが書かれたサイトがたくさん並ぶだろう。
でもじっと我慢しなければならない。
そして僕はこの2作がパックになったDVDセット


